ホーム


令和6年度福島きのこの会 川内村いわなの郷のきのこ観察会報告
(令和6年10月)
         ”Click here for English version”

    観察種一覧はこちらをクリックすると表示されます(PDFファイルです)
    ウェブページの一覧表はこちらをクリックしてください。

      

 令和6年(2024年)年10月12日(土)に川内村いわなの郷できのこ観察会が開催されました。
 いわなの郷の観察会は毎年9月下旬か10月上旬に開かれている観察会で、センボンキツネノサカズキ(Microstoma aggregatum Otani)の発生状況の確認が主たる目的で開催しています

 センボンキツネノサカズキは北海道の一部と福島県川内村のいわなの郷でしか確認されていない極めて貴重なきのこです。これ以外の外国を含む地域では未だ未確認と言われています。
 毎年定期的に観察会を行うようになった経緯は、2019年にセンボンキツネノサカズキの発生場所一帯を、皆伐に近い伐採が行われたために、その翌年から発生状況の確認を続けています。詳細は「研究・調査・報告」のページでご覧いただけます。「研究・調査・報告」のページクリックすると詳細ページが開きます。

 センボンキツネノサカズキは例年9月下旬に幼菌となり10月上旬に傘が開いた状態の成菌が見られてきました。しかし今年は参加者全員で探してもセンボンキツネノサカズキを見つけることができませんでした。昨年の報告でも書いたのですが、周辺の環境はさらに悪化が進んでいるように見受けられたので、来年以降の発生はかなり厳しい状況と思われます。  今年は県内外から研究者が3人参加されました。お一人は外国人できのこの線量調査のようでした。また、もう一人は民俗学?(文化の調査?)が目的のようでした。もっとしっかり聞いておけば良かったです(泣)  センボンキツネノサカズキ以外のきのこの採取数は53種で、いわゆる軟質菌は47種でした。適度の間隔で降雨があったので発生環境はかなり良かったと思われます。当地のこの時期では観察種が多めと感じました。  昨年、ベテラン会員の皆さんの目を引いたシラウオタケは今年も発生していました。ただ、今年の一番はカエンタケでしょうか。「とうとういわなの郷もカエンタケが発生したか」の想いがあります。他にはきのこではないのですがツチアケビが印象的でした。
今回もこのサイトの管理人の私は、センボンキツネノサカズキとその後のきのこ探しで、会員の皆さんたちの写真をほとんど取れませんでした。
1. There were 9 participants, including 3 general participants (researchers). 2.ベテラン会員がお二人の研究者に山の案内中です
3.外国人研究者はタフネスです。山奥まで行きそうな気配に、当会会長が慌てて追いかけていました。その後しばらくして戻られました。 4.太めのナラ?の木の根際にカエンタケが発生していました
5.ベテラン会員(会長)と若手・中堅会員がきのこ鑑定中です 6.私がツチアケビがあると伝えると、果敢に藪入りしGETしてきた会長はさすがです

以下の画像は今回採集されたきのこの一部です
1.アミタケ 2.エセオリミキ 3.ハタケシメジ 
 
4.ヒイロチャワンタケ 5.ヒロヒダタケ(柄が地中深く伸びていました) 6.材上生のホコリタケ
 
7.カエンタケ(ごく一部を採取) 8.ミツヒダサクラタケ 9.広義のナラタケ(成熟菌)
 
10.サクラシメジ 11.シラウオタケ 12.シロカノシタ
13.ススケヤマドリタケ 14.タマシロオニタケ 15.チチタケ
 
16.ツルタケ(傘色がやや黄土色) 17.ズキンタケ